そのあと、僕は古い友人と会った。
彼女は、とあるゲーム会社でプランナーをやっている。
ゴールデン街で飲みながら、こんな話になった。
「私もね、そろそろソーシャルゲームをやってみようと思ってるんです」
彼女はプロのプランナーだから、この場合の「やってみる」は作ってみる、ということだ。
「ほほう」
僕は曖昧に返事をした。
商売敵になる、という意味ともとれる。
「それで教えてほしいんですけど、ソーシャルゲームを成功させる決め手ってなんですか?」
「うん・・・・」
難しいな、と思った。
「どうしてそんなことを聞くのかな?」
「正直、全部が全部、同じゲームに見えるんです。少しずつ違うけど、少ししか違わない。三国志のゲームだけでもうんざりするほどありますよね。でも、聞いてみると、成功と失敗がクッキリと別れているみたいなんです。それはどういうことなんでしょう」
そう。まさにそれが、ソーシャルゲームの難しいところだ。
すべてのゲームは一見すると横並びに見える。
パッと見て分かるのは、モチーフの違いくらいだ。
「面白さで決まってるんじゃない?」
僕はぶっきらぼうに答えた。
そうとしか言いようがない。
「でもその”面白さ”って、一体どこで決まってるんですか?ゲームシステムも全部同じに見えますが」
「厳密には違うよ」
「でも基本は同じですよね。画面構成とか」
「まあ基本を変えると、遊び方がわかんなくなっちゃうからね」
「その微妙な違いってなんなんでしょう?」
「それは色んな要素で決まる。たとえばレスポンスタイム。キーを押下してから、次の画面が出てくるまでの時間。目標に対して近づいているという体験そのものの時間、一定間隔でもらえるご褒美の出てくるタイミング・・・。もちろんガチャガチャで何がどんな確率で出てくるか、という部分もある」
「そんな細かいところで決まってるんですか?」
「そんな細かいところで決まってるんだよ」
「システムに工夫とかは?」
「そりゃしてるよ。毎日ね」
ソーシャルゲームの向こう側: 単なるWebサービスには飽きてきた。じゃあなんだろう。 - Keep Crazy;shi3zの日記